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ブリンディジ

日本とイタリアが修好通商条約を締結し、国交を樹立した1866年8月25日。それ以降、両国間では友好協力関係を維持し、現代に至るまで、様々な方法での国際芸術交流が行われてきました。2016年は、国交樹立から150年目の節目に当たり、これまでにない芸術による国際芸術交流の場が求められており、その場所として選ばれたのが、かつて、イタリア王国政府の臨時本部となるほどに栄えた古代都市ブリンディジなのです。

この地は、有名なことわざである「すべての道はローマに通ず」の語源にもなったアッピア街道の終着点であり、群青の海面が広がるアドリア海に面し、イタリア国内でも有数の港湾都市としても知られています。特に、ローマ帝国の時代から中部アジアへと繋がる「東」への出入り口という重要な役割を果たし、「東への門」と呼ばれていました。その上、ブリンディジは、東洋文化と西洋文化の出会いの場である「文化交差路」としても発展を遂げてきました。

2016年3月18日~19日――現在も南イタリアを代表する都市であるブリンディジの正式な後援協力のもと、「日伊国交樹立150周年記念・古代都市ブリンディジ創世芸術祭」が開催されることになったのです。この催しは、『日出ずる国』として知られ、東より輝きを放つ日本と西に暮れるイタリアを結ぶ国際芸術交流であり、両国間での新たな歴史が始まるとのことで開催前から両国の期待は最高潮に達していました。ゆえに、日伊の永遠に渡っての深い繋がりを保つため、現地側からは、次世代へ伝えるメッセージとして、日本を代表する芸術家の先生方による「新しい日伊芸術創世の証」を残して欲しいという機運が高まったのです。

その「新しい日伊芸術創世の証」に応しいものとして、ヨーロッパで1200年以上の歴史があり、イタリアが誇る世界遺産の数々にも神聖なものとして使用され、最も芸術家に対して、敬意を表す芸術ジャンルであるアートタイルが採用されました。特にイタリアは、古に建てられた建築物を大切に保護する国であり、建築物の壁面にアートタイルとして刻まれるということは、永遠に次世代へ継承されていくことを意味します。

レオナルド・ダ・ヴィンチ国立中学校

そして、「新しい日伊芸術創世の証」を刻む場所に選ばれたのが、次世代を担う子どもたちが学ぶ、レオナルド・ダ・ヴィンチ国立中学校なのです。この学校は、ブリンディジの中でも最大規模の生徒数を誇り、毎年、優秀な学生を輩出していることでも知られています。なにより、イタリアのルネサンス期に活躍し、史上最高の芸術家の一人であるとともに、「飽くなき探究心」と「尽きることのない独創性」を持ち、人類史上もっとも多才の呼び声も高い人物であるレオナルド・ダ・ヴィンチの名を冠した国立学校であり、子どもたちの学びに対する意欲は溢れ出るものがひしひしと伝わってきます。そこで、今後、国際的に活躍が期待される子どもたちに向けて、ヨーロッパ中で人気のある“日本芸術の歴史”を結集した「新しい日伊芸術創世の証」であるアートタイル壁画を届けることになったのです。

そのために、長谷川栄先生を始めとする日伊芸術文化教育実行委員会は、葛飾北斎・空海・与謝野晶子・宮本武蔵・高村光太郎ら“日本芸術の歴史”を彩ってきた巨匠達の想いを現代に継承した芸術家の先生方という厳しい選考基準の中、選考会議を行ってきました。その結果、日本全国から 167 名の先生が精選されたのです。ジャンルは、油彩画、水彩画、日本画、鉛筆画、書道、彫塑、工芸、切り絵、人形、クレイアート、フラワー、ジュエリー、短歌、俳句、川柳、詩、写真など日本芸術のオールジャンルから選ばれた先生方です。先生方の想いが結集し、「新しい日伊芸術創世の証」となったアートタイル壁画――このお披露目を現地の子どもたちは、心待ちにしていました。

2016年3月18日――透き通るような青空と優しくも黄金の輝きを放つ朝日に恵まれたここ古代都市ブリンディジ。この街は、古よりローマの英雄アウグストゥスやカエサルを始め、共和制ローマ期の著名な政治家、文芸作家、哲学者、芸術家達が愛したという由緒正しき土地です。今日訪れるレオナルド・ダ・ヴィンチ国立中学校周辺の美しい海の景色や春特有の透明感と暖かさを含む空気は、まるで私たちを、英傑達が訪れた古代ローマ時代に、誘ってくれるかのようでした。それは、時の洗礼を受けても、本当に価値のあるものは何世紀にも渡って人々の心を惹きつけていくものだと教えてくれます。

私たち一行が学校に到着すると、子どもたちの熱烈な歓迎のセレモニーが始まりました。有志で集った子どもたちによる、合唱やリコーダーでの演奏、曲は、イタリアの伝統的な民族音楽や日本では「鬼のパンツ」として馴染みのある日本の代表的な童謡などが数多く披露されました。続いて演劇、それは体全体で日本の芸術家の先生方に喜びを伝えるために、長い練習を積み重ねてきた努力の様子が十分に伝わってくる素晴らしいものでした。それは、子どもたちの気持ちのこもった「ありがとう」の表現だったのです。

―午前9時30分―

弊社代表の志知正通、イタリア側代表マルティーナ・ディエゴ先生、レオナルド・ダ・ヴィンチ国立中学校校長カルリーノ・ロゼッタ先生のあいさつによって、「日伊国交樹立150周年記念・古代都市ブリンディジ創世芸術祭」が幕を開けました。

「この度は、イタリアを代表するレオナルド・ダ・ヴィンチ国立中学校に『新しい日伊芸術創世の証』であるアートタイル壁画を日伊の歴史の1ページとして刻むことができ、大変嬉しく思います。この壮大な催しを開催することができたのも、日本全国から選ばれた芸術家の先生方のご理解とご協力があってのことです。誠にありがとうございました」と、深く一礼する弊社代表・志知正通

弊社代表
志知正通

「本日は、ご体調の関係でお越しになっていただくことのできなかった実行委員長の長谷川栄先生方とともに、選考させていただいた日本の芸術家の先生方のアートタイル壁画は、『新しい日伊芸術創世の証』となりました。しかも、アートタイル壁画から感じるエネルギーや愛は、時を経ても子ども達にメッセージを与え続けていただけることでしょう。それは、新たなる日伊物語の始まりを意味しています」と、日伊の未来について語るマルティーナ・ディエゴ先生

美術研究家
マルティーナ・ディエゴ先生

「日本を代表する芸術家の先生方の温かい気持ちの込められたアートタイル壁画を、この学校で永遠に継承出来ることを誇りに思います。本当にありがとうございます。アートタイル壁画は、この教室につながる壁面に刻むことができました。これからは、毎日子どもたちに見ていただくことができます。こんなに嬉しいことはありません。今から子どもたちの笑顔を見ることがとても楽しみです。本日からお披露目となります。さあ、ご覧ください」と、アートタイル壁画のお披露目を宣言するカルリーノ・ロゼッタ校長先生

カルリーノ・ロゼッタ校長先生

その言葉の先に広がる、216枚のアートタイルが連なり完成した「新しい日伊芸術創世の証」であるアートタイル壁画。これは、イタリア製の品格のある黄金に輝く枠に囲まれています。設置された場所は校門をくぐり、毎日生徒たちが授業を受ける教室の前です。つまり、生徒たちが毎日通る、学校の顔になる場所に刻まれているのです。今後、学校の美術や異文化を知るための社会の授業の中で使用されることにもなっています。それは、日本文化の理解や日本に対する愛好の気持ちを促進するという目的だけではなく、子どもたちの成長を見守る学校のシンボルとして、子どもたちの笑顔の元になっていくのです。

――子どもたちは目を輝かせながら、アートタイル壁画が作り出す世界観に魅了されています――

「この芸術作品には、すごく惹きつけられる!こんな美しい黒と白の色使いは見たことないよ!」と墨色の表現に魅了され、アートタイルを指さしながら興奮気味に語る美術部の男子生徒

「このアートタイルを見ていると、遠い日本にいる芸術家の先生がすぐ隣にいてくれるような安心感があり、私たちに対して優しく語りかけてくれるようです」と語る文芸部の女子生徒

「今まで、スポーツばかりに熱中していたけど、この日本芸術の繊細さや情熱的な色彩を見ると、僕の心の中にあった想いが目覚めました。もっと感性を磨いて芸術家を目指したいと思います」と語ってくれたサッカー部の男子生徒

「ヨーロッパにはない芸術ジャンルがたくさんあって、とても刺激を受けます。将来は、パリかミラノで勉強しようと思っていたのですけど、もっと日本芸術について学ぶために日本に行きたいです」と語るファッションデザイナーを目指す女子生徒

「これから僕たち、私たちは、嬉しい時も悲しい時も、このアートタイル壁画とともに成長してゆきます。今後、卒業したとしてもこの日本を代表する芸術家の先生方より届いたアートタイル壁画と出会えたことは、一生涯忘れません。本当にありがとうございました」と語る生徒会長の男子生徒

―午前10時00分―

この催しは事前に、現地の新聞でも取り上げられ、子どもたちとの間で行われた国際芸術交流の時間には、多くの保護者や近隣の教育関係者らも出席されました。この時間は、中学校の正式な授業として扱われ、日本からお越しになっていただけた日本の芸術家の先生方には、アートタイル壁画として起用されたお作品についての解説や、芸術に対する熱い想い、日本芸術を始めとする日本文化の素晴しさを伝えていただくことができました。その評判は子どもたちの真剣な眼差しと、満面の笑顔がすべてを物語っています。また、イタリアまでお越しになっていただくことが出来なかった先生方のお作品に対する想いや日本での活動は、イタリア側代表のマルティーナ・ディエゴ先生がイタリア語に翻訳して、身振り手振りを交えて子どもたちにお話ししていただけました。

出席されていた子どもたちの保護者の方々からは、先生方の紹介の中で自らの芸術家としての活動だけではなく、環境問題や福祉問題へ積極的に取り組み、世のため人のために、ご奉仕されている日本人の心に対しても感嘆の声が上がっていました。

一日目の国際芸術交流を終えた子どもたちからは、「また、明日も楽しみにしています」や「今日、来ることが出来なかった友だちも明日は、絶対に来ると言っていました」など明日を待ち切れない子どもたちの声が至る所から聞こえてきます。

3月19日――教室には、一日目を超える子どもたちが集まっています。それは、用意した椅子に座りきれず立ち見が出るほどでした。この日、私たちは、生徒からの素直で情熱にあふれる言葉に触れることになったのです。

二日目の国際芸術交流の時間が終わる頃、弊社代表・志知正通のもとに一人の男子生徒が想いを伝えたいと話し掛けてきました。彼の名は、ルイ―ジ君。彼は、熱く語り出しました。それを、マルティーナ・ディエゴ先生が日本語に翻訳して私たちに伝えてくれたのです。

満面の笑みを浮かべるルイージ君と弊社スタッフ

「こんにちは。僕は、この2日間で日本芸術と日本人の心の美しさを知ることが出来ました。もっと、日本の伝統文化である芸術について知るために、日本語を学びたいと思います。僕の心に芽生えた情熱を感謝の言葉にして、日本の芸術家の先生方に伝えたいのですが、今の僕では、まだ難しいです。そのために、まず始めに一生懸命、日本語を勉強します。それから、将来は僕が、日本の芸術家の先生方に教えていただいた、日本芸術の継承者になりたいと思います。そのために、偉大な日本の伝統文化である芸術に対する情熱を継続して、必ず日本に行きます」と最高の笑顔で語ってくれたのです。

ルイージ君の手紙(クリックで拡大)

さらに、彼は覚えたての日本語で書かれた手紙を弊社代表・志知正通に手渡しました。それは、この二日間の日本の芸術家の先生方に対する感謝の手紙だったのです。

この手紙を読み、日本の芸術家の先生方の思いが子どもたちに届いたのが、たまらなく嬉しく、私たちの心は熱くなりました。日本芸術の持つ影響力の大きさを間近で感じることができ、スタッフ一同、大きな役目の一旦を担っていることを再認識いたしました。

今後は、この「新しい日伊芸術創世の証」であるアートタイル壁画を見て、多くのイタリアの子どもたちが日本芸術に対して興味を抱き、日本に来ることになるのでしょう。日本芸術の新たなる継承者として――

文/西村 淳
撮影/遠山 高広

「古代都市ブリンディジ創世芸術祭」のことを掲載した現地の新聞(クリックで拡大)